アポトーシスとは、細胞の自然死(自発死)のことです。例えば、オタマジャクシの尾は、カエルになるときに不要になるため消滅しますが、これは、アポトーシスによる現象です。
ヒトは、有性生殖する生物です。有性生殖ではオスとメスの遺伝子がランダムに組み合わされます。その中には不具合な組み合わせや傷ついた遺伝子も誕生します。それを排除するシステムとしても、アポトーシスが存在します。
キズを持った遺伝子が生存しつづけると「種」が維持できなくなる恐れがあります。そこで、細胞の1つひとつにアポトーシスがプログラムされています。それは、2種類の酵素によって実行されます。
活性酸素やウィルスなどで細胞が傷つくと、酵素の1種類が細胞骨格を切断。もう1種類が細胞核に入りDNAを切断します。刻まれたDNAは細かくなり小さな袋状(アポトーシス小体)になって細胞内に集まります。それをマクロファージなどが貪食することで体内から消滅します。このようにして1日に3000億個の細胞がアポトーシスで自発的に死んでいると考えられています。
ところが、がん細胞は、有害であるにもかかわらずアポトーシスせずに増殖することでヒトのからだを蝕みやがて宿主であるヒトに死をもたらします。
フコイダンは、正常細胞にはほとんど影響を与えず、がん細胞だけをアポトーシスさせる作用があるという研究の成果が発表されたのは、1996年の日本癌学会でのことです。
2002年にはフランスの科学者によって、F-フコイダンがウサギの細胞の過形成を抑制するという報告があり、2005年には、日本の慶應義塾大学に所属する医学者・木崎昌弘らの研究により、F-フコイダンが人間の悪性リンパ腫の細胞にアポトーシスを起こさせることが発表されています。
以上のことから、フコイダンは、正常細胞にはほとんど影響を与えず、アポトーシスしないがん細胞のアポトーシスを促す作用があることでがんに効果があるとこれまでは考えられていました。
しかし、実は、フコイダンにあるとされていたがん細胞のアポトーシスを促す作用は、褐藻類からフコイダンを抽出する際に、微量に混在していた「フコキサンチン」にあることが解明されています。
フコキサンチン(Fucoxanthin)は、フコイダンを含んでいる、モズクやコンブ、ワカメ、メカブなどの褐藻類の色素成分(カロテノイド)の一つです。
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