硫酸基とは硫酸化フコースを主とする多糖体です。モズクなどの褐藻類の表面にある、さわるとネバネバする粘着物質の成分中に含まれていて、水溶性食物繊維の一種です。
実は、胃の粘膜もこの硫酸基を含むことでネバネバしています。ピロリ菌は、胃の中の粘膜にあるこの硫酸基に吸着しています。そして、同じような硫酸基をもつフコイダンが胃の中に入ってくると、呼び寄せられるようにフコイダンの硫酸基に吸着します。
フコイダンの硫酸基に吸着したピロリ菌は、フコイダンと一緒に胃から腸を通り体の外へと排出されます。
ピロリ菌は、正式名称「ヘリコバクター・ピロリ」といい、1990年の世界消化器病会議で初めて、胃・十二指腸潰瘍の原因に関係していると報告され、今日では慢性萎縮性胃炎や、進行すると胃ガンを発症させるというのがほぼ定説になっています。
国際がん研究機関(IARC)では、ピロリ菌は胃の中では活性酸素を発生させ、発ガン物質であるヒドロキシラジカルを生み出すと発表しました。
また、2003年9月の日本癌学会では、北海道大学の朝香正博教授が「胃潰瘍の原因となるピロリ菌を除去すると、胃ガンになるリスクが3分の1になる」という調査結果を発表しています。
そのため、2000年11月より、ピロリ菌陽性で、胃・十二指腸潰瘍がある人などには除菌治療が健康保険で認められ、健康診断でもピロリ菌感染の有無を検査対象とする自治体が増えています。
ところで、硫酸基を多く含むフコイダンは、胃の粘膜となじみやすい性質があります。このため、フコイダンは、胃の粘膜にへばりつき、胃をすみずみまで保護してくれます。
さらに、胃に炎症があれば、HGF(hepatocyte growth factor; 肝細胞増殖因子)の産生を誘導する作用があることで、その部分を修復してくれます。胃潰瘍にフコイダンが効果的なのはこの為でもあります。
フコイダンは、胃の粘膜を適度に刺激する作用があります。これにより、胃の運動を助け、活発にさせ、胃のもたれや膨満感、食後の胃の痛み、胃酸過多など、胃の違和感や不快な症状の緩和を期待できます。
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